製品情報

CADSUPER優遇税制措置対象製品

大阪府の東部に位置する「柏原市」。ぶどうと古墳で知られる緑と歴史のこの町は、同時にJR大和路線(関西本線)、近鉄大阪線、国道25号・165号・170号が縦横に通り、奈良県との交通の要となる町でもある。 その柏原の南部に、大和川を見下ろす形で共栄精工株式会社がある。 工具加工の工場としてスタートしたのがちょうど半世紀前。今や現代工業の重要分野で世界をリードする立場となったこの企業を訪ね、発展の歴史と、CADとの関わりについてお話をうかがった。

◆冷間リングローリングで世界をリードする

共栄精工株式会社が株式会社ジェイテクト(JTEKT)工具加工を始めたのが1961年。 その後、機械関係の保守メンテナンス、さらには装置の製造にも進出して行くが、当初は設計部門がなかったこともあり、 設計図をもらって装置を製作していたという。

転機となったのは、取引先が倒産した時。その会社の設計部門を自社に迎え入れた。 以後、共栄精工は、全自動成形版、鍛造ベアリング(冷間リングローリング)、自動車用各種専用機製造、FAライン製造という、 現在同社の屋台骨となる主要技術を身につけて行った

常務取締役
門谷佳樹氏

特に、冷間加工(※1)によるリングローリング(※2)=「冷間リングローリング」 と呼ばれている分野では、他の追従を許さない。

「この分野で世界に認められているのはドイツのP社と我が社の2社くらいです。」と門谷常務は胸を張る。

事実、大手も含めて国内のいくつかの企業がこの分野に参戦したが、芳しい結果を残せずに去っている。 そんな中で、共栄精工が生み出したCRF(Cold Rolling Form)という言葉は、同社の技術とともに業界を席巻し、いまや世界共通語となっている。

「大学では、当時あまり知られていなかった塑性加工を専攻しました。何の事かもよくわからない状態からでしたが。」これは、今の共栄精工を支えている技術だ。 「切削は比較的楽ですが、塑性はむずかしい。出来ると思ったものが出来なかったり、これは出来ないと思っていたら出来たり。」 塑性に必要なのはボリューム計算。元の体積と伸ばした時の体積は一緒。でも形は変わる。元の合金を伸ばしたときに、どのような形になるのか。 その演算にはCADが不可欠である。そういう意味で共栄精工は、まさにCADを最大限に活用しながら発展を遂げて来た企業と言える。

◆CADSUPER FXⅡの導入

機械設計部
宮武孝志氏

2002年9月、共栄精工はそれまで使っていたH社のCADソフトをCADSUPER FXⅡに切り替えた。切り替えるきっかけは何だったのか?設計部のお二方に導入の経緯を聞いた。

「実は、それまでのシステムはタブレットが使えるのが便利でしたが、表示スピードに問題を抱えていました。」 慣れ親しんだデバイスに未練はあるが、それよりも、表示スピードという作業に大きく影響する要素を重視して新しいシステムを模索していた。そんな時期に、展示会で見たのがCADSUPER FXⅡ。 「これはいけるのではないか?ということで採用することになりました。」

いくつかの候補から、CADSUPER FXⅡに切り替えたのは、価格面、使いやすさ、将来性を総合してのこと。 「ANDOR製品という事で、サポートにも期待がありました。」と、うれしい答えが返って来た。

機械設計部
赤川和彦氏

問題となっていた表示スピードは解決し、それ以外にもメリットがあった。 「部品ごとにレイヤー分けできるので、部品図にするのが楽ですね。」以前は、書いた人に聞かなければならなかった事も、 今ではレイヤー分けでわかる。社内ではテンプレートを共通化して、社独自の約束事を決めている。 今後はCADSUPER Worksの導入で2次元CADから3次元への移行も進める。 「今は、手書きのイラストで機器の説明をしていますが、3次元のアニメーションやキャプチャで説明できればいいですね。」 静止画ではわかりにくい部品交換の手順も、説明のアニメーションデータを部品と一緒に送ればわかりやすい。3次元CADならではの利用法である。

◆世界一の技術を武器に、更なる未来へ

技術立国日本と言えど、近年は近隣諸国、特に中国、韓国の企業が追いつけ追い越せで迫ってくる。そのあたりの不安はないか、門谷常務に聞いてみた。 「確かに、中国のこの分野への進出はあります。でも、まだまだクオリティが追いつかない。」製品の精度はもちろんであるが、メンテナンスのしやすさも含め、 中国企業はこのリーディングカンパニーを脅かすには至っていない。とはいえ、安穏とはしていられない。今後の展望を門谷常務が語る。 「今後は設計部門をさらに強化して行きます。」 設計は重要な部門。ここでこけると、全てがダメになる。 「それに、グローバル展開。」 現在、中国語とハングルが使えるスタッフがいるが、さらに語学系の学者を補充するという。 もちろん海外市場を狙っての事だが、海外にシフトするにあたっては、CADSUPER FXⅡの持つ互換性も強い武器となる。 最後にもう一つ、今、共栄精工の最新の取り組みがある。国内トップクラスのシェアを持つ冷間リングローリングに続いて進めているのが、全自動熱間リングローリングの開発。

「熱間リングローリングには、新聞プレスに問い合わせが来たり、市場からも大きな反響があります。」 熱間ロールは、冷間ロールと違い複雑な形状が作りやすいというメリットがあるが、その分、設備にヒーターが必要。また、熱を加えて成形した金属は冷えるときに縮小するので、 その伸縮度を計算する必要も出てくる。 ここでもCADSUPER FXⅡの活躍に期待が高まる。CADを最大限に活用しながら世界に通じる技術を磨き続ける共栄精工株式会社。共栄精工とANDORの関係は、これからまだまだ深くなりそうだ。

用語(※1)【冷間加工】 冷間加工(れいかんかこう)とは、プレス加工等の塑性変形を利用した、常温もしくは再結晶温度未満で行う加工。 再結晶温度以上で行われる熱間加工と比較すると、温度変化を行わないので精度が良い、加工硬化によって強度が上がるなどといった利点がある。

用語(※2)【リングローリング】 リングローリングは、リング状の金属製部品を製造する特殊な加工。共栄精工ではベアリングの軸受用リングを製造する専用機を開発し、国内大手自動車メーカーや海外のベアリングメーカーなどへ納入している。