製品情報

CADSUPER優遇税制措置対象製品

  • 株式会社三晃エンジニアリング 様
  • 本社所在地:
  • 大阪府東大阪市新庄東4-30
  • http://sanko-e.com

近鉄花園ラグビー場を擁し「ラグビーのまち」として知られる、東大阪市。大阪府中河内地域に位置するこのまちは、また、日本有数の中小企業の密集地としても全国に知られている。

東京大田区と並び、高い技術を持った町工場が多数集まる「ものづくりのまち」。その数ある企業の中から「It's東大阪」と言える工場を取材した。

◆コストを抑えクオリティを守る

阪神高速と近畿自動車道が交わる東大阪ジャンクション。そのすぐ北東に株式会社三晃エンジニアリングがある。

ここの製品は驚くほど多岐にわたる。コンバーティック関連装置。シャーライン、スリッターライン、レベラーライン、プレスライン、 非鉄用シャーライン、非鉄用スリッタ-ラインなどの金属二次加工ライン。フィルム塗工機械、洗浄設備、その他自動機、各種乾燥炉。 話を聞くと、出てくる出てくる。しかも、これら全ての製品を、設計から、製作、販売まで手がけ、さらにはコンサルタント業務まで行っているという。

なぜ、こんなに多彩なジャンルの、色んな機械が?そのわけを、濵田社長がこう話してくれた。

代表取締役
濵田一廣氏

「三晃さんこんなのできますか、って聞いてくるやろ?はい作れますって言うんや。」
長年やっていると、過去に実績がないものでも、自社の技術で作れるものかどうか、だいたいわかるという。後は、その製品を具現化するために図面を書き、 それを実製作する。

もちろん、そこには経験と努力が必要である。そうやって積み重ねて来た30年。でも、30年の間に世の中は少しずつ変わって来ている。
「今は、まずコスト。それでよそと同じモノが作れるかどうか。」
「昔は人徳の徳やったのが、今は損得の得。徳より得の時代やな。」
と語る。作れる技術がある事が大前提。 その上で、他社よりも少しでも安く作れないと発注は来ない。言い換えると、生き残れない。

そんな厳しい時代である。それだけに、濵田社長のコスト意識は高い。

販社の担当者から、こんなエピソードを聞いた。

ある日、担当が訪ねてみると、工場に新しい機械が置いてある。
「社長、これ何ですの?」 「部品作るんや。」
部品を作るために購入した、ミーリング(横削り、縁取り)ができる加工機だった。

製作には、多数の部品が必要である。1万円の部品を200個買うと200万円。500個買えば500万円。 自社で製作すればその何分の一かで費用はすむ。なるほど、コスト削減・・・と思ったら、こんな言葉が続いたという。
「精度も必要やろ?」 コストだけでなく、精度を確保するためでもあったのだ。

自社製品に使う部品の精度は自社で守る。そのための部品内製化。そこには、さらに納期の短縮もついてくる。
「仕事を受けるには、まずはコスト。受けたら、相互信頼。仕事が始まったら、相互有益。」
コストを削るだけでは「相互有益」は生まれない。ともすれば、受注側には予算がない苦しみがつきまとい、 結果として発注主には粗悪な製品が行く。

三晃エンジニアリングが選んだ部品の内製化は、発注側と受注側、相互に利益が生まれるための、一番の方策だったのだ。

◆CADSUPER FXⅡの導入

CADSUPER FXⅡの導入について話を聞いた。そこには、コスト意識とはまた違った三晃エンジニアリングの姿があった。

「最初に入れたCADはH社のGMM。OSはUNIXで価格は600万やった。」

価格からその歴史がわかる。かれこれ25年使った手慣れたソフト。それなのに三晃エンジニアリングでは一気にANDORのソフト5台分導入した。 きっかけは、CADSUPER WorksにバンドルされていたCADSUPER FXⅡ。

ソフト購入後に販社の担当者が訪問してCAD担当者にこう聞いた。講習はいつやりましょう?」 すると、こんな言葉が返って来た。

「坂下さん(販社担当者)、これええわ。AutoCADで一週間かかってたのが、これやと1日で出来たわ。」

講習を受ける前に、もう実際に使っていた。

CADSUPER FXⅡの使いやすさもあるが、なによりも、使う側の柔軟性と能力によるところが大きい。 「応答速度が速い。使いやすい。言い換えると簡単ってことやな。」尺度をコントロールした図面作り。コマンドの繰り返しをしなくていい。 などなど、それまで使っていたCADソフトにはない良さをたくさん口にしてもらった。 そこで、あと4台分購入し、合計5台の導入となった。

濵田社長自身は、手書きで設計図が書ける。簡単なものならハンドフリーででも描いてしまう。だが、それを今の現場のスタッフに望むのは無理というもの。
CADはそれを補うためにも必要不可欠なツールであり、いいものに置き換える事への躊躇はない。そこへ出費も惜しまない。コスト削減とは違った三晃エンジニアリングの一面だ。

◆東大阪という町で

今回のインタビューの途中で一冊の本を見せてもらった。

日本金属通信社刊「1992年版 全国鉄鋼流通業覧」。全国の鉄鋼関係企業の中に、東大阪の企業名も数多く並んでいる。それを見ながら濱田社長がつぶやく。

「この会社は10年前に無くなった。ここももうないわな。」

東大阪宇宙開発協同組合を設立し人工衛星の開発を進めるなど、高い技術力を誇る東大阪。面積に対する工場の割合ではいまだ全国1位。 とはいえ、近年はその数も減る傾向にあり、工場跡地に住宅が建てられているケースもある。 2007年には工業出荷額で隣市の八尾市に抜かれ、その差は今も広がりつつあるとも聞く。 王者東大阪と言いつつ、ここもほかの工場町の例に漏れず、安穏としてはいられないのだ。

「今後の方針とか、こういうものを作りたいっていうのはありますか?」
「受注品ではなく、自社ブランド製品として販売出来るもの。」
なるほど、研究、開発、試作、製造を一貫して行える三晃エンジニアリングであるから、その思いは強いはずだ。

「ほかにありますか?」
「値段は安いけどいいなあというのを、作りたいなあ。あと、機械としては、人が見てすごいなあというもの。」
「見てすごい?」
「中身がよくても、見た目汚いんじゃ、よくないやろ。」
小気味良い答えが返って来た。たしかに、ここに置かれている製品は、全てが美しい。工業製品ではあるが、美術品のような美しさがある。

インタビューの結びの言葉が欲しくて、最後にこんな事を聞いてみた。

「東大阪から今はなくなった会社と、御社みたいに残ってる所の決定的な差ってなんですかね?」
返って来た答は
「優秀なスタッフたち。あとは・・・わからん。たまたまちゃうか。」

確かに優秀なスタッフは不可欠である。だが、それだけでこのような会社がなりたつはずはない。 答えは今日聞いた話の中にあった。徹底したコスト意識と、クオリティコントロール。そのために、新しい環境もどんどん取り入れていくチャレンジ精神と柔軟性。 これが「It's東大阪」株式会社三晃エンジニアリングだ。